第63回菊花賞(だい63かいきっかしょう)は、2002年10月20日に京都競馬場で施行された競馬競走である。10番人気のヒシミラクルが優勝した。

レース施行時の状況

同年の牡馬クラシック戦線は混戦状態だったが、そこから一歩抜け出したのはノーリーズンだった。ノーリーズンはトライアルの神戸新聞杯で東京優駿2着のシンボリクリスエスに敗れたものの、シンボリクリスエスは菊花賞ではなく天皇賞(秋)に回った為、骨折からの復活が期待され1番人気に支持された。

他には、ラジオたんぱ杯2歳ステークス3着後、骨折で長期休養を強いられ、休み明けのセントライト記念で2着に入ったアドマイヤマックス、東京優駿・神戸新聞杯4着のメガスターダム、宝塚記念3着のローエングリン、前年の2歳王者で札幌記念4着のアドマイヤドン、セントライト記念の勝ち馬バランスオブゲームなどが有力馬に挙げられた。

トライアルの結果

第50回神戸新聞杯
第56回セントライト記念

出走馬と枠順

ダービー馬のタニノギムレットが故障で回避、シンボリクリスエスが天皇賞(秋)へ路線変更等、有力馬の回避があった。

レース結果

レース展開

スタート直後、1番人気ノーリーズン鞍上の武豊が落馬。これで110億円以上の馬券がわずか3完歩、1.5秒で露と消えた。1番人気の落馬という大波乱で始まったレースは、ローエングリンとダイタクフラッグが逃げる展開。人気のアドマイヤマックス、メガスターダムは後方待機策。3コーナーを曲がるとメガスターダムがまくり、先頭に躍り出る。そして2番手にヒシミラクルとヤマノブリザード。逃げたローエングリンは後退。直線に入ると、徐々にメガスターダムとヒシミラクルが抜け出し、ヒシミラクルが先頭に立ち勝負決したかと思われたが、大外からファストタテヤマが急追。2頭並んで入線した。勝ったのはヒシミラクルだった。

データ

払戻

テレビ・ラジオ実況

本レースのテレビ・ラジオ放送の実況担当者

  • 日本放送協会(NHK)
    • 実況:藤井康生
    • 解説:坂口正大(調教師)
  • ラジオたんぱ(現:ラジオNIKKEI)
    • 実況:藤田直樹
  • 関西テレビ
    • 実況:馬場鉄志
    • 解説:大坪元雄(競馬評論家)
    • ゲスト:橋口弘次郎(調教師)
    • ゲート前リポーター:岡安譲
    • 勝利ジョッキーインタビュー:石巻ゆうすけ
  • KBS京都
    • 実況:澤竹博之
  • MBS『みんなの競馬』
    • 実況:仙田和吉

達成された記録

  • 角田晃一騎手は菊花賞初制覇。GI8勝目。
  • 佐山優調教師は1995年スプリンターズステークス以来GI2勝目。クラシック初勝利。

レースにまつわるエピソード

  • 大きく離れた17着のダイタクフラッグは鼻出血を発症していた。
  • サッカーボーイ産駒は1999年のナリタトップロードに次ぐ菊花賞2勝目を挙げたが、サッカーボーイ自身はステイヤーではなく、マイルから中距離路線で活躍していた。
  • 1番人気のノーリーズンが落馬した菊花賞当日から10日後の東海菊花賞では、2番人気と同じく人気を集めていた、安藤勝己騎乗のレジェンドハンターも落馬した。
  • 当競走は芝3000mのレースであったが、出走馬の中にはこのレースの後に路線転向し大活躍を収めた馬も多い。アドマイヤドンは当競走から中1週で出走したJBCクラシック圧勝をきっかけにダート路線の頂点に上り詰め、アドマイヤマックスはマイル・短距離路線に転向、2005年の高松宮記念を勝つに至った。他にもGII最多勝記録を更新することになるバランスオブゲームや、8歳で重賞やオープン特別で勝ち鞍を挙げ、息の長い活躍を続けるローエングリン・ファストタテヤマ・タイガーカフェ等がいた。

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