ア・ラ・カルト 役者と音楽家のいるレストラン』(ア・ラ・カルト やくしゃとおんがくかのいるレストラン)は日本の演劇。

1989年12月に演出・吉澤耕一、構成・白井晃、台本・高泉淳子、音楽監督・中西俊博のメンバーで公演が開始された。メンバーや場所などは変わりつつも、2023年には35周年を迎えた。

受賞

2009年、第17回スポニチ文化芸術大賞優秀賞を受賞。

概略

1989年、青山円形劇場の完全円形オープンスペースで360度どの角度からでも楽しめるという特色を生かし始まった演劇。

クリスマスの夜のフレンチレストラン『ア・ラ・カルト』を舞台に、訪れた客達が繰り広げるドラマを、アラカルト[ (フランス語)a là carte] に例えて描いたオムニバス形式の物語である。

“役者”の白井晃、高泉淳子、陰山泰が様々なキャラクターを演じ、バイオリニスト中西俊博を音楽監督として迎え、“音楽家”の生演奏と共に芝居が進行された。

1999年からはゲスト出演者(visitor)が参加することによりストーリー展開の幅が広がった。

主催はこどもの城。1989年の初演以来、毎年末恒例の上演を記録し、東京・大阪併せ、丸1ヶ月の公演となっている。

フレンチレストランの開店から閉店までを舞台に、男と女の恋愛や家族にまつわる情景のショート・ショートを単品料理に例え、各エピソードをコース料理の提供順に準えて綴る。「役者と音楽家の…」というサブタイトル通り、ミュージシャンもレストラン専属のバンドとしてこの芝居の重要な役割を占める。

劇中で繰り広げられるエピソードの中には馴染みのキャラクターが来店し、お馴染みのやり取りをコメディータッチを交えて繰り広げたり、ショータイムと呼ばれるコーナーにて、各出演者がそれぞれ意外な一面を見せるキャラクターに化けての登場とシャンソン、JAZZ、POPS、ダンスなどを織り交ぜ舞台に華やかさを添える場面などもあり、この舞台の一番の呼び所となっている。

ではショータイムで登場するキャラクターに花束を渡す客の増加が著しく、2006年より「フラワーボーイズ」と称したギャルソン達が会場の花を回収するようになる(2007年にはvisitorの筒井道隆も若葉マークを携えて参加)。

20周年である2008年は、ショータイムの内容を充実させる目的と、花束を手渡す事の習慣化に対して、劇中の登場人物名義で「手ぶらでお越しください」と事前告知され、間接的花束規制が入る。

舞台がフレンチレストランである事にちなみ、協賛企業の協力により夜の部の休憩時間にはワインのフリードリンクが慣例になっていたが、2006年12月15日公演より、社会事情(飲酒運転撲滅運動など)を反映し、ワインのフリードリンク提供を自主規制。フリーの提供はソフトドリンクに切り替わり、ワインは有料制となった。

2009年、【第17回スポニチ文化芸術大賞】昨年で20周年となった音楽劇『ア・ラ・カルト』は優秀賞を受賞。受賞理由は以下の通り。

「1989年に“開店”。当初は6日間の公演だったが、客足が絶えず2年後には3週間、20周年記念の昨年は1カ月にまで公演が延びた。その人気ぶりと、ほぼ同じメンバーで20年間、上演してきた“演劇魂”で優秀賞。」

2010年には『ア・ラ・カルト2』としてリニューアルオープンした。 この『ア・ラ・カルト2』では、当初からのメンバーであった白井晃、陰山泰は08年の20周年公演をもって卒業という形となり、新たにパントマイマー山本光洋、本多愛也の二名の役者を得て、新装開店となった。

2010年から中山祐一朗、2016年から釆澤靖起が加入。

2019年からはライブショーの要素が濃くなった『僕のフレンチ』をeplus LIVING ROOM CAFE & DININGで上演。2020年はコロナ禍のため、無観客配信が実施された。 2023年はeplus LIVING ROOM CAFE & DININGの閉店に伴い、I’M A SHOWで35周年となる à la carte 35th Anniversary『僕のフレンチ -special menu-』が上演された。

出演者

  • 高泉淳子
  • 山本光洋(ア・ラ・カルト2〈2010年〉から)
  • 本多愛也(ア・ラ・カルト2〈2010年〉から)
  • 白井晃(20周年公演で引退)
  • 陰山泰(20周年公演で引退)
  • 中山祐一朗(2010年から)
  • 采澤靖起(2016年から)

ゲスト出演者

Visitorと呼ばれる。

2008年公演のMCコーナーでマダムジュジュが「11年目からゲストをお呼びしたのよね」と発言したが、1990年には花組芝居座長加納幸和がゲスト出演している事から、正式にVisitor制度を設けたのは11年目となる1999年公演とされる。

公演場所・日時

1980年 - 1999年

2000年 - 2013年

2014年 -

書籍

  • 高泉淳子『アンゴスチュラ・ビターズな君へ』平凡社、2008年。ISBN 978-4-582-83418-5。 

脚注

出典

外部リンク

  • ア・ラ・カルト 役者と音楽家のいるレストラン (alacarte2) - Facebook

ア・ラ・カルト 役者と音楽家のいるレストラン|EPAD|作品データベース

EPAD|作品データベース

ア・ラ・カルト 〜役者と音楽家のいるレストラン〜 演劇・ミュージカル等のクチコミ&チケット予約★CoRich舞台芸術!

音楽家の中で「主人公の生き様」を書けるのは作詞家だけです。 作詞家,作曲家になろう!さくなろ道場

ア・ラ・カルト2-役者と音楽家のいるレストランー 春風亭昇太