与謝郡(よさぐん)は、京都府(丹後国)の郡。

人口20,070人、面積170.33km²、人口密度118人/km²。(2025年2月1日、推計人口)

下記の2町を含む。

  • 伊根町(いねちょう)
  • 与謝野町(よさのちょう)

郡域

1897年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記2町のほか、概ね下記の区域にあたる。

  • 宮津市の大部分(由良・石浦を除く)
  • 京丹後市の一部(弥栄町須川・弥栄町野中・丹後町大石)
  • 福知山市の一部(雲原)

歴史

地元では「よさぐん」ではなく「よぐん」と発音されることが多い。2011年3月11日に開通した山陰近畿自動車道与謝天橋立ICは、地元の読み方を尊重して「よざあまのはしだて」と命名されている。また与謝野町内の地名「与謝」は行政上も「よざ」と読まれる。

古代

地名としてのよさは雄略天皇22年に「餘社郡」で初見される。入江の見られる郡域において、湾での「よせあみ」(寄網)漁法が「よさみ」、そして「よさ」へ転訛したものである。

7世紀に丹波国の与射評として設置された。701年に評が郡になり、713年に丹後国が設置されるとこれに属した。

『和名類聚抄』に記される郡内の郷。

  • 宮津郷
  • 日置郷
  • 拝師郷
  • 物部郷
  • 山田郷
  • 謁叡郷
  • 神戸郷

式内社

『延喜式』神名帳に記される郡内の式内社。

近世以降の沿革

  • 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。幕府領は久美浜代官所が管轄。(3町92村)
  • 慶応4年
    • 4月19日(1868年5月21日) - 幕府領が府中裁判所の管轄となる。
    • 閏4月28日(1868年6月18日) - 府中裁判所の管轄地域が久美浜県の管轄となる。
  • 明治初年(3町92村)
    • 奥波見村のうち宮津藩領が分立して中波見村となる。
    • 日置浜村・日置上村が合併して日置村となる。
  • 明治4年
    • 7月14日(1871年8月29日) - 廃藩置県により、藩領が宮津県の管轄となる。
    • 11月2日(1871年12月13日) - 第1次府県統合により、全域が豊岡県の管轄となる。
  • 明治8年(1875年) - 惣村の一部(旧・枝郷文珠門前)より文珠村が起立。(3町93村)
  • 明治9年(1876年)8月21日 - 第2次府県統合により京都府の管轄となる。
  • 明治12年(1879年)4月10日 - 郡区町村編制法の京都府での施行により、行政区画としての与謝郡が発足。郡役所が宮津に設置。
  • 明治18年(1885年) - 田中村・有田村が合併して滝馬村となる。(3町92村)
  • 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、下記の町村が発足。(2町22村)
    • 宮津町(宮津が単独町制。現・宮津市)
    • 城東村 ← 惣村、皆原村、滝馬村、波路村、山中村、宮村、獅子崎村、猟師町、鍛冶町[一部を除く](現・宮津市)
    • 栗田村 ← 新宮村、脇村、中村、小寺村、上司町、中津村、小田宿野村、島陰村、田井村、矢原村、獅子村(現・宮津市)
    • 上宮津村 ← 小田村、喜多村、今福村(現・宮津市)
    • 吉津村 ← 須津村、文珠村、鍛冶町[一部](現・宮津市)
    • 石川村(単独村制。現・与謝野町)
    • 桑飼村 ← 温江村、明石村、香河村(現・与謝野町)
    • 与謝村 ← 与謝村、滝村、金屋村(現・与謝野町)
    • 加悦町 ← 加悦町、算所村、加悦奥村、後野村(現・与謝野町)
    • 三河内村(単独村制。現・与謝野町)
    • 市場村 ← 四辻村、幾地村、岩屋村(現・与謝野町)
    • 山田村 ← 上山田村、下山田村(現・与謝野町)
    • 岩滝村 ← 弓木村、岩滝村、男山村(現・与謝野町)
    • 府中村 ← 国分村、小松村、中野村、大垣村、江尻村、難波野村、成相寺村、溝尻村(現・宮津市)
    • 日置村(単独村制。現・宮津市)
    • 世屋村 ← 畑村、下世屋村、松尾村、東野村、上世屋村、駒倉村、木子村(現・宮津市)
    • 養老村 ← 里波見村、中波見村、奥波見村、長江村、岩ヶ鼻村、外垣村、大島村、田原村(現・宮津市)
    • 伊根村 ← 亀島村、平田村、日出村(現・伊根町)
    • 朝妻村 ← 大原村、新井村、井室村、六万部村、泊村、津母村、峠村、畑谷村(現・伊根町)
    • 本庄村 ← 本庄上村、本庄宇治村、本庄浜村、野室村、長延村、蒲入村(現・伊根町)
    • 筒川村 ← 菅野村、野村、本坂村(現・伊根町)
    • 野間村 ← 須川村(現・宮津市、京丹後市)、野中村(現・京丹後市)
    • 日ケ谷村(単独村制。現・宮津市)
    • 雲原村(単独村制。現・福知山市)
  • 明治27年(1894年)10月12日 - 市場村の一部(岩屋)が分立して岩屋村が発足。(2町23村)
  • 明治32年(1899年)
    • 7月1日 - 郡制を施行。
    • 7月28日 - 野間村の一部(大字野中の一部)が竹野郡八木村に編入。
  • 明治35年(1902年)4月1日 - 雲原村の所属郡が天田郡に変更。(2町22村)
  • 大正10年(1921年)4月1日 - 岩滝村が町制施行して岩滝町となる。(3町21村)
  • 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
  • 大正13年(1924年)9月1日 - 城東村が宮津町に編入。(3町20村)
  • 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
  • 昭和23年(1948年)4月1日
    • 野間村の一部(大字須川の一部)が日ケ谷村に編入。
    • 野間村の所属郡が竹野郡に変更。(3町19村)
  • 昭和26年(1951年)4月1日 - 上宮津村が宮津町に編入。(3町18村)
  • 昭和29年(1954年)
    • 6月1日 - 宮津町・栗田村・吉津村・府中村・日置村・世屋村・養老村・日ケ谷村が合併して宮津市が発足し、郡より離脱。(2町11村)
    • 11月3日 - 伊根村・朝妻村・本庄村・筒川村が合併して伊根町が発足。(3町7村)
    • 12月1日 - 桑飼村・与謝村・加悦町が合併し、改めて加悦町が発足。(3町5村)
  • 昭和30年(1955年)3月1日 - 三河内村・岩屋村・市場村・山田村・石川村が合併して野田川町が発足。(4町)
  • 平成18年(2006年)3月1日 - 加悦町・岩滝町・野田川町が合併して与謝野町が発足。(2町)

変遷表

行政

歴代郡長

脚注

参考文献

  • 角川日本地名大辞典 26 京都府
  • 旧高旧領取調帳データベース

関連項目

  • 消滅した郡の一覧

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